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感想記

2022年10月 感想まとめ

●ドラマ

 借金の取り立てに追われる無職の主人公が、大金を得るため閉鎖空間でのデスゲームに身を投じるという内容。

 良くも悪くも王道のデスゲームモノで、新規性はないが、期待を裏切らない展開の連続でジェットコースターみたいな感じで楽しめた。

 

●映画

 自意識強めの二人が運命的な出会いをして恋人になり、やがて生活のために自分を犠牲にした男と生活よりもやりたいことを優先した女とで価値観のズレが生じて別れるというちょっとほろ苦い感じのラブストーリー。

 良かった点

 ・作品全体で恋愛というものの本質を表しており、終わり方は切ないが、少しコミカルというかドライな感じで悲劇的にならないようにしている。

 ・女性の方が社会性があって男性の方が夢見がちという展開は往々にしてあるが、本作はその逆を行っており、今までのステレオタイプの男女観に疑義を呈している。

 良くない点

 ・登場人物が思考が極端に振れすぎている。結局、男は何のために自分が就職したのか最後まで気づかないまま終わる。

 

●ゲーム

 Y地区という街を舞台に起こるギャングの闘争や殺人事件といった出来事を絡めた群像劇。

 サイキック能力を持つタイプA、人並み外れた身体能力を有するが精神的な不安定さも併せ持つタイプBという特殊能力を持つ人間が登場するのも本作の特徴のひとつ。

 良かった点

 ・殺伐として緊張感があるストーリー。唐突に登場人物が退場するので目が離せない。

 ・登場人物がやたら多いが、「街」でもあったTIPS機能を採用しているので、情報を整理しやすい。

 良くない点

 ・序盤の展開が遅い。視点が異なるとはいえ同じ場面を二回見せられたりするので、テンポが悪い。

 ・不死というモチーフが緊張感をスポイルしている。不死の殺人鬼をどうやって攻略するのかという話になると思いきや、最終的に不死者は五人くらいになるので、キャラクターの生死がどうでも良くなる。

 

●アニメ

 国の対テロ組織「DA」に所属するリコリスと呼ばれる孤児たちがテロリストから日常を守るという話。

 明るいガンスリンガーガールのような印象

 良かった点

 ・ストーリーやキャラクターが王道やお約束を敢えて外さないようにしている。

  具体的には、不殺の最強主人公に周囲が殺人を強いるという展開。

  それに付随させる形で合理的で味方の危険すら関知しない相棒や主人公と対になる悪役を配置するなど。

 ・アクションシーンがかっこいい。特に千束のアクションは銃を撃ちながら敵に接近するというもので千束の能力を活かしたものでありながら、彼女のキャラクターも上手く表現している。

 良くない点

 ・王道やお約束の部分は言わば過去の作品のパッチワークなので、視聴していて既視感が拭えない。

 ・ガンスリンガーガールと同様に作品世界に合理性がないので違和感がある。

 

 サイボーグ化が当たり前になった近未来の世界で、母親の死と多額の借金によりサイバーパンクと呼ばれるならず者になることを選んだ青年の話。

 原作のゲームがあるが、未プレイ。

 良かった点

 ・どん底まで落ちた主人公が力を得て成り上がる展開と不思議な魅力がある少女とのメロドラマをかけ合わせたストーリー。

 その一方で仲間の死やサイバーサイコシスという症状にいつ見舞われるかもしれないというスリルも同居させている。

 良くない点

 ・ゲーム本編へ続く話という前提を指しておいても、ラストに希望がない。

  貧しい若者が破滅に向かって進んでいくという典型的なストーリー。