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感想記

2022年4月 感想まとめ

●映画

 ヤクザ映画と言えば、ヤクザ同士の抗争がテーマとなっていることが多いように感じるが、

 本作では、警察とヤクザの関係性に焦点が当てられている。

 孤狼の血役所広司演じる型破りな刑事の遺志を松坂桃李演じる後輩刑事、日岡が引き継ぐという王道的な展開。

 LEVEL2では、鈴木亮平演じる凶悪なヤクザが出所し、日岡の支配が揺らいでゆく緊迫感のある内容が描かれている。

 この二作を通じて松坂桃李のイメージがガラッと変わってしまうほど良い演技を見せてくれる。

 

 親の因縁にその下の世代が従う必要はないというのが作品を通じたメッセージだと思う。

 ただ、とは言っても……みたいなところもある。

 

 タイトルにある通り、上流階級にぶら下がって生きる人々を描いている。

 そして、格差に対する個人単位での反逆は何の意味もなさないという事態の硬直化も表現している。

 

インターンシップ (字幕版)

 会社が倒産し無職になった二人組の元営業マンがGoogleインターンに参加して正社員を目指すという内容。

 作中の最近の若者はゲームやネットばかりでリアルを感じていないという指摘には疑問符。

 

 イランの映画だが、日本と同じような老人介護とそれに付随する家庭内不和の問題が描かれている。

 必要な情報を提示しなかったり、敢えて疑わしいような描写を加えることで妻や娘が抱える夫(父)に対する不信感を視聴者にも与えるような構成にしてある。

 西川美和の「ゆれる」を観たときと同じような感覚に襲われた。