冒頭やあらすじだけ読むと、一般人とは異なった経験をしてきた真太郎が日本社会に切り込んでいく痛快な内容を期待してしまうが、蓋を開けて見ると一度レールから外れてしまった人生の厳しさ・残酷さがコメディチックに描かれている。
個人的には最後の話が、一貫してシビアな視点で漫画を描く作者ならではのエールという感じで印象に残った。
莫大な金額を賭けたギャンブル勝負が描かれている。
命を賭けて大金を求めた先に見えるもの、それがその人間の本質なのではないかという問いかけがあったように感じた。
ループもの。
ループする時間が2分間と短いのが新味だろうが、逆に言うとそのワンアイデアだけで成り立たせようとしている力業のようにも見えてしまった。
160度の高熱の地脈にトンネルを掘る、その一部始終が描かれた記録文学。
戦時下での重要な工事と言えど大量の死者が出ている状況でも敢行されたのだから、やはり当時の天皇の影響力はすさまじく、日本という国が危うい方向へ進んでいたことがうかがい知れる。